インクジェットプリンターを買う

雑記

はじめに

Canon PIXUS MG 7530が壊れてしまいました。2014年のフラッグシップモデルで、現行Canonのハイエンドプリンターと同様の6色ハイブリッドインクの高画質モデルです。価格.comのスペック情報を見ると、印刷速度も解像度も最新機種と同等です。しか前面給紙トレイが2個ついているところも、前面給紙トレイ+背面給紙という構成よりも優れモノです。筐体サイズやデザイン以外では、今もこのスペックで十分通用するクオリティでした。2015年に型落ちになった瞬間に1.2万円で購入していました。今から考えると良心的な時代でしたね。6年分も進化した割にはあまり変わっておらず、久しぶりの買い替えなのに残念な感じです。ちなみに、我が家は中学生の子供が勉強のノートまとめや、塾や学校の練習問題のプリントを大量コピーする使い方がメインです。写真はあまり印字せず、黒の文書が多いので、EPSONよりはCanonのプリンターの方が向いています。とにかく写真を高画質という場合や、すごい年賀状を作るんだといった用途ではEPSONが優れていると思います。我が家では写真の印刷は、ネットの写真プリントやフォトブックにしています。こちらの方が家庭用プリンターで印刷するよりコスパも画質もよいので。

インク

インクジェットプリンターは御多分に漏れずインクが高いです。髭剃りの替え刃と同じビジネスモデルです。本体を安く(下手したら赤字)で販売し、たくさんインクを買って印刷してもらえると何とか利益がでますといったビジネスモデルです。本体だけ買われてインクを全く買われなかったらおそらくメーカーは存続できないか、本体価格をもっと高く売る必要があるでしょう。最近発売されている大容量インクタイプのプリンターが同じスペックの通常のプリンターに比べて数万高いのはインクで利益を出さず、本体を適正価格で販売するとこれくらいの金額になるよという例でしょう。

私も最初のころは純正インクで印刷していましたが、学習用に本格的に使い始めたころからは互換インクを使用していました。初めの3年くらいは、それなりに純正インクを使っていたので、メーカーにはきちんと利益を上げてもらった後に、壊れてもよいから後は安く印字するというほうにシフトしました。

純正インクは6色で7,000円くらいですが、互換インクは私が良く買っていたこまもの本舗のハイクオリティータイプインクで1/5の1,400円くらいです。インクのチップスやこまもの本舗の通常クオリティだと1/6の1,200円くらいでした。どちらの会社も互換インクとしては実績もあり、普通に印字できるレベルのインクを発売しています。インクジェットで大量プリントするのに純正インクだと大変な金額になってしまうのでこちらを使っていました。

買い替え機種選定

2021年6月という条件で買い替え機種を選んでいきます。今現在の最大の課題は、コロナ禍でインクジェットプリンターが品薄なところです。キヤノン、エプソンのフラッグシップモデルは在庫ありで販売していますが、3万円前後と今どきのフラッグシップは2014年当時と比べると値上がりしています。さすがに赤字での販売はやめていこうという考えなのか、そもそも売れ行きが良いからあまり値下がりしていないのかいずれかでしょう。で、売れ筋の1.5万~2万円前後の機種は在庫切れ多発で2カ月待ちがざら、割高な店にしか在庫が残っていないという状況です。こういった状況の中でどの機種を購入するのがおすすめか悩んでみました。

なお、今回も互換インクで印刷する想定でいます。つまり互換インクの使い勝手やコストという面でも機種選択をする必要があります。インクジェットプリンターは世界的に見ればHPが首位だと思いますが、日本国内はキヤノン・エプソンの2強です。互換インクの入手性なども含めてその2社から選んでおけば、間違いないので他社のプリンターは検討していません。価格は昨年末の年賀状商戦での価格と、今在庫があるショップの最安値を目安として書いています。今は在庫を持っていることが正義なので全般的にかなり値上がりしています。

ハイエンド機はどちらも6色インクですが、キヤノンが文書印刷も意識した顔料インクを搭載するのに対し、エプソンは染料インクのみで写真画質を最高にすることを重視しています。ミドルレンジ機にも当てはまるので、メーカーカラーとして、写真はエプソン、文書はキヤノンという方向性はかれこれ10年くらい変わらないのではないでしょうか。

ローエンドモデル(1万円前後)

Canon PIXUS TS5330

昨年9,800、現在11,980

この価格帯としては圧倒的に使い勝手が良いと思います。自動両面印刷、前面給紙トレイ+背面給紙トレイと実用的な部分でのスペックはピカイチです。染料インク3色 + 顔料インク1色なので、写真印刷は期待できませんがEPSONの低価格機よりはきれいです。顔料インク搭載なので文書印刷には強いですし、印字速度も上位機種と比べると遅いですが、やはり同価格帯のEPSONに比べると高速です。これが1万以下で買えたと考えるとかなりおすすめです。品不足で2割ほど割高になっています。

この機種最大の欠点はインクです。インクが一体のため個別交換できずしかも高価格です。さらには互換インク対策が強力で各メーカーきちんと機能する互換インクを出せていません。プリンター本体のインク残量検知をOFFにする必要があるうえ、純正カートリッジの再生品や純正カートリッジに穴をあけてインクを補充するといった面倒なものしか存在しません。今回紹介する機種でこのモデルだけの欠点になります。たくさん印字することが想定されるなら本機種は避けた方が良いかと思います。ライトに利用する、互換インクの補充も気にしないというならこれで決まりです。

EPSON EW-052A

昨年6,800、現在 11,800

昨年の価格なら購入する価値があるモデルですが、今の価格だと割高なので購入してはいけません。染料インク3色 + 顔料インク1色で前述のキヤノンTS5330と構成は同じですが、写真画質、印字速度ともに一歩劣ります。両面印刷なし、背面給紙のみ、液晶モニターなしというかなり割り切った仕様になっています。価格以外での良いところは4色独立インクな点です。互換インクが市場でちゃんと出回っていますし個別に交換できます。

EPSON EW-452A

昨年9,800、現在 12,480

前述のEW-052Aと印刷仕様は同等です。自動両面機能、液晶画面、メンテナンス性の高さが追加になっている機能です。今の価格ならEW-052Aをあえて選択する必要はなく、EW-452Aを選ぶという形でよいかと思います。が、やはりTS5330に比べるとインク以外の点では良いところがありません。

まとめ

基本Canon TS5330一択です。インク価格を気にするならEPSON EW-452Aになりますがあまりお勧めしません。EPSONの機種はかなり割り切った仕様なので、昨年価格まで戻ればEPSON EW-052Aという選択肢もありかなというレベルです。

ミッドレンジモデル(1.5~2万万円)

Canon PIXUS TS6330

昨年15,800、現在18,150

フラッグシップ機種と同等の印刷スピード、自動両面印刷、前面給紙トレイ+背面給紙トレイ、染料インク4色+顔料インク1色と上記のTS5330と比べて全体的にスペックアップしています。写真印刷もそつなくこなしますし、文書印刷も強いです。また、独立インクタンクで、互換インクもきちんと発売されており個人的にはTS5330よりはこちらをお勧めします。
デザインが少し古い点が好き嫌いが分かれると思います。次に紹介するTS7430と印字スペックは同等で見た目や操作性でどちらかを選ぶという感じでしょうか。こちらは液晶パネルで操作できる点で操作性が良いです。また、1.5割ほど割高になっていますが、こちらの方が安いので万人にお勧めできる一台です。

Canon PIXUS TS7430 昨年

昨年 17,500、現在 21,450

基本性能はTS6330と同じです。見た目と排紙と例が自動で伸びたりと細かいところは良くなっていますが操作はタッチパネルではなくなっています。前述の通り好みでどちらかですが価格差を考えるとTS6330の方が魅力的です。こちらも在庫不足で2割以上割高になっています。

EPSON EP-713A

昨年 18,216、現在 18,216

EPSONを選ぶならこの機種から上がおすすめです。ミドルレンジの機種にもかかわらず6色染料インクによる高画質な写真プリントが可能です。顔料インクがないので文書印刷は多少苦手でしょうが、そもそもCanonよりEPSONを選ぶということは写真画質を追及しているということでしょうからそこは欠点ではありません。また、この機種以上なら印刷速度もだい速くなりますので良いと思います。また、キヤノンでは最上位モデルにしかつかない、ディスクレーベル印刷機能がこれ以上の機種ではすべてに搭載されます。もちろん独立インクタンクなので各色ごとにインク交換できますし、互換インクも豊富に販売されています。本機種は給紙が前面トレイオンリーな点と、自動両面が付かない点が割り切りポイントです。最後に、価格がぼったくりになっていないので購入しても負けた感はありませんが、そもそも少し高めかなと感じます。時折1.6万台で変えるタイミングもありそうなのでそのタイミングで買えるとお得に高画質写真プリントができる機種が手に入れられます。

まとめ

Canon TS6330かEPSON EP-713Aのどちらかがおすすめです。写真追及、もしくはディスクのレーベル印刷必須ならEP-713Aを選んでください。それ以外のスペックは総じてキヤノンの機種の方が高いので、オールラウンドに使いたいというならTS6330を選んでください。このレンジは全体的にバランスが良いスペックにまとまっている売れ筋のためか在庫がひどい状況ではあります。

ハイエンドモデル(2~3万円)

EPSON EP-813A

昨年 24,156、現在 23,849

本機種も6色染料インクによる高画質な写真プリントができますが基本EP-713Aと同等レベルです。EP-713Aに比べて、前面給紙トレイが2段に、さらに背面からも1枚だけ手差し給紙できます。両社通じて給紙スペックとしては最も優れていると思います。さらに、印字速度も多少速くなり、自動両面も可能になっています。自動両面もキヤノンでは最上位にしかないはがき両面にも対応しています。世の中的には人気がないのは、価格的な立ち位置が中途半端すぎてミドルレンジを買う層にもハイエンドを買う層にも受けないためな気がします。EP-713Aの価格帯にこいつがいればかなり売れると思いますが、この価格だすなら最上位機種を買った方が画質・インクコスト・印字速度の点で満足度が高いと思います。

Canon PIXUS TS8430

昨年 29,200、現在 27,849

キヤノンではプレミアムハイスペックモデルという高級ラインが存在しますが、こちらは一般ラインのフラッグシップモデルです。私が使っていたMG7530と同等の機種となるとこのクラスになります。

染料インク5色+顔料インク1色で写真印刷も文書印刷も高いレベルで実現しています。キヤノン機唯一のはがき対応自動両面、ディスクのレーベル印刷にも対応しています。今現在キヤノン機で在庫がちゃんとあるのはこのモデルだけです。価格も品不足による割高価格ではなく昨年よりも徐々に値下がりしていて今買っても悔しくないモデルです。TS7430+1万円分の価値があるのかは微妙ですが、こいつにしかできない機能がたくさんあるのでEPSONよりもスペックの変化のさせ方が上手な感じです。

EPSON EP-883A

昨年 32,076、現在 29,000

エプソンのフラッグシップモデルです。エプソンでカラーバリエーションがあるのはこの機種だけなので、白以外のEPSONプリンターが欲しい人には一択です。EP-813との差分が、よりきれいに安く印字できる最新のインクを搭載している点、印字速度が若干早い点、液晶が大きい程度です。価格差の割にはちょっと物足りないですが、中途半端にEP-813A買うならこれを選びましょう。EPSONを選択するということは写真高画質を求めているというはずなので、妥協しないのが正解です。

Canon PIXUS TS8330 黒赤限定

昨年 21,282、現在 23,300

ちょっとずるいですが、Canonの2019年のフラッグシップモデルも入れておきます。最新のTS8430とほとんど機能差はなく値段も抑えめです。もう在庫が限定的で黒色か赤色なら安いというレベルですがコスパという観点ではお勧めです。なお、白色が欲しい場合は素直にTS8430を買いましょう。

まとめ

このクラスのプリンターを購入するなら、見た目や好きなメーカー等どう選んでも不満は少ないと思います。全体バランスならTS8430、とにかく写真画質ならEP-883Aと最上位機種を選びましょう。

ちなみに、結局私はCanon PIXUS TS8430を買いました。すぐに必要だったのと、今まで使っていたプリンターと同じことができる機種という理由です。注文してすぐに届きましたが、少し静か、少し横幅が狭くなった(奥行きは背面トレイの開閉分や用紙トレイの出っ張りを考えたらほとんど変わらず)、トレイが自動で引っ込む(そんなギミックいらなくない!?)、WIFIが5GHzでつながった(サイズの大きな年賀状データがWIFIでも印刷できるかも。前のは有線じゃないとダメだった)、タッチパネルがきれいなど全体的に微妙に良くなっていますがまあその程度です。家庭用インクジェットプリンタは2015年くらいからほとんど進歩しておらず、今後も進化する余地はほとんどなさそうな感じですね。末永く使える耐久性があることを期待して締めたいと思います。

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